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フィンランド式人材育成メソッドの基本は「アクティブ・ラーニング」ACTIVE LEARNING
 

中央教育審議会が検討する学習指導要領の全面改訂で、目玉の一つが「アクティブ・ラーニング(Active learning)」と呼ばれる学習指導方法の導入です。

「アクティブ・ラーニング」とは、2012(平成24)年8月の中教審答申(いわゆる大学教育の「質的転換」答申)では、「学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」学修(能動的学修)を言います。具体的には、発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワークなどの学習法を挙げています。ちなみに「学習」ではなく「学修」という用語を使っているのは、大学の場合、1時間の授業に対して倍以上の時間の予習・復習を自分ですることが単位取得の原則になっているからです。しかし、実際には授業を漫然と受けるだけの場合も少なくないため、学生が自主的に勉強する時間の増加を促す「単位制度の実質化」が大学の大きな課題となっています。
「アクティブ・ラーニング」を導入すれば、討論などをするには予備知識が不可欠ですし、調査等にも文献を読んだり校外でフィールドワークをしたりすることが必要になるため、必然的に自分で勉強しなければならなくなるというわけです。

 

ある都立高校の生物の授業を※「アクティブ・ラーニング」手法で授業を行っていて、先生は教科書の説明や板書をやらないそうです。

この手法はフィンランドの小学校でも取り入れられています。
生徒は教科書の内容に沿って先生が示した課題に対してグループで取り組んでいます。
例えば、「生物にはなぜ多様性が見られるのか?」・「ドラえもんが生物であるかどうか判断せよ」という問題に、高校生たちはスマートフォンで調べたり、先生に直接質問をしたりして、その都度「なぜ、
そう思うの?」とそれをまた質問で返すそうです。

フィンランドの小学校で視察したとき、国語や理科の授業で同じような授業をしていました。
現地の先生のお話しによると、先生が生徒に教えてしまうと、生徒はわかった気になって終わるかもしれない。できる限り考える機会を意識して与えているとおっしゃってました。

また、「アクティブ・ラーニング」では「反転学級」というスタイルで、復習ではなく「予習」をして生徒が先生役となって他の生徒に教えるという授業を行っています。

学習の定着率を7段階にランク付けした※「ラーニング・ピラミッド」によると、学習定着率が低い順から「講義」「読書」「視聴覚」「演じる」「対話」「体験」「他人に教える」となります。生徒の「学ぶ力」を引き出し、「本当に分かった」となるように導く役割を教師が担うというグローバルな時代になって来ています。

社会で必要な能力の中には、教えて身に付けられないものがたくさんあります。
例えば、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」では、主体性や課題発見力、傾聴力など12項目の能力を求めています。しかし、これは大学や高校で教えて養っていくものではないと思います。つまり、「社会人基礎力」は教えることよりも自ら「学ぶ」ことを大切だと思います。
これからの授業は、板書して教科の説明をするだけの先生ではグローバル化についていかなくなります。
企業の社員研修もこれと全く同じではないでしょうか。
担当する講師のレベルとスキルを上げていかなかければならないと思います。

※写真は「ラーニング・ピラミッド」の説明
NPO法人フィンランド式人材育成研究所の専任専属講師:諌山敏明による「アクティブ・ラーニング」を企業(団体)社員(職員)研修としてのご興味ご関心、実施導入をご検討される方は、お気軽にお見積り等お問い合わせください。

【参考/出典先】 

※「アクティブ・ラ―ニング」 文部科学省/中央教育審議会答申「学習指導要領」2012年より一部参考抜粋
※「ラーニング・ピラミッド」  アメリカ National Training Laboratories の調べによると、授業から得た内容を覚えているかを半年後に調べたところ、知識定着率の高い学習方法を順に並べると、「他の人に教える」、「自ら体験する」、「グループ討論」となりました。
一方、最も学習の定着率の低い方法は、「ただ黙って講義を聴く」という結果でした。

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子どものころに自然体験などさまざまな体験を積んだ者ほど学歴や年収が高い!

独立行政法人国立青少年教育振興機構の調査によると、2009(平成21)年11月、インターネットによるアンケート方式で実施し、20代から60代の成人5,000人から回答を得ました。回答を統計的に処理して分析した結果、現在の「意欲・関心」が高いと見られる人たちのうち、子どものころに海や川で遊んだ経験が何度もある者は33.6%、逆に経験がほとんどない者は22.0%で、明らかに差がありました。
ほかの調査項目でも同様の傾向が見られ、同機構は、子どものころに自然に触れた、友達と体を使って遊んだ、地域の大人たちと接したなどの経験が多い者ほど、大人になってからの「意欲・関心」「規範意識」「職業意識」が高いと結論付けています。
また、最終学歴が「大学・大学院」の割合は、子どものころの体験が多い者が50.4%、少ない者が45.4%。さらに、「年収500万円以上」の割合は、体験が多い者が33.8%、少ない者が23.1%でした。
このほか、野営(キャンプ)や釣り等の自然体験などが多かった者ほど、読書量が多く、逆にゲームをする時間が短いという結果も出ています。しかし、これはインターネット調査なので、回答者がパソコン利用者に限られるなどの点に留意する必要があります。
※同機構でも、「全ての成人を代表する回答とは異なる可能性がある」と指摘しています。

それでも調査結果から見ると、子どものころに自然の中で遊んだり、体を使って友達と一緒に遊んだりした経験が多い者ほど、成人後の学歴と年収が高いということは明らかです。子どものころの自然体験などが生き方や考え方に大きな影響を及ぼして、その結果が学歴や年収などとして現れたという見方ができるでしょう。
自然に触れる家族旅行などをしばしばする家庭は、もともと高所得層が多く、高学歴・高収入は育った家庭の経済力の反映である、とも言えるかもしれません。しかし、成人調査とは別に、学校をとおして実施された青少年調査(小5~高2)の結果を見ると、「意欲・関心」が高いと見られる子どもたちのうち、小学校低学年のころに友達とよく遊んだ子どもは37.8%、あまり遊ばなかった子どもは18.4%で、自然、友達、地域の大人たちなどと触れ合った体験が多い者ほど、「意欲・関心」「自尊感情」「人間関係能力」などが高い、ということが判明しました。
まとめますと、小さい頃からさまざまな体験を積ませることや、大人たちと一緒に将来のやってみたい仕事のことを話した経験が、子どもたちの成長にプラスになることは、間違いないようです。

NPO法人フィンランド式人材育成研究所では「自然体験」や大人と一緒に考えるキャリアビジョンのアクティブ・ラーニングセミナーを定例開催いたします。ご興味ご関心のある保護者の方はぜひ当セミナーにご参加ください。

【出典先】
*独立行政法人国立青少年教育振興機構「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」平成22年中間報告より一部抜粋して掲載

フィンランド小学校の英語教育
テクノロジークラスの子供たち

モンテッソーリ教育(montessori education)とは?


多くの著名人がこの教育を受けていた事、ご存知ですか?
 目的=自立した子どもを育てるモンテッソーリ教育の基本は、「子どもは、自らを成長・ 発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」という考え方の「アクティブ・ラーニング」を基本とします。
この教育について単純明快に動画配信されていますのでぜひこちらの動画をご覧ください。

フィンランドの小学校PROGRAM授

◆どんな授業で「知識を使う力」が身に付くのでしょうか?

そこで注目されているのが「アクティブ・ラーニング」という手法です。「先生の話を座って黙って聞く」のではなく、子どもたちが発表したり、議論したり、「子どもが主体となって活動する」というファシリテーション型の授業が導入されます。
また、教育改革では入試も大きく変わります。2020年には大学入試センター試験が廃止され、新たに「大学入学共通テスト」が導入されます。「考える力」や「表現する力」をみるため、国語と数学で記述問題が加わります。採点方法をどうするかなど、現在準備が進められています。
また、「考える力」を身につけるには、家庭教育がより重要になるとも言われています。(私見ですが、益々父親の関わり方が大きくなりますね!)授業や宿題がどんどん進化していくので、親子の会話を今よりも増やしていった方がいいと思います。

◆2025年以降、新しい教育改革で学んだ学生が就職します。

この新しい教育改革プログラムの大学入試で入った大学生が社会人になるのが2025年以降です。
受け入れる側の私たちも今からしっかりとアクティブ・ラーニングで「考える力」「表現する力」「判断する力」を意識して伸ばしていかなければなりませんね。特にこれからますます若手社員とのコミュニケーションが必要になってくると思います。職場でわからないことがあれば、スマホでネット検索するとすぐに答えがわかる時代です。日頃からコミュニケーションを意識してお互いに増やして「考える習慣」を身に着けていかないとダメですね。

そこで、上司の方にお勧めの部下育成の場面で必要な「会話術」をご紹介します。
ポイントは次の2つ…
① 最初は、単語で答えられる簡単な質問から → Open Question 「~ってどう思う?」
② 次に、なぜそう答えたのか理由を聞く → Open Question 「なぜ、~と思った?」
順を追って質問していくと、自分の頭の中が整理され、考えを表現しやすくなります。ぜひ、今日からでも職場で実践してみてください。

フィンランドでは日本よりもいち早くこの「アクティブ・ラーニング」を学校教育に取り入れています。


【参考文献】*文部科学省「高大接続システム改革会議(第9回)」配付資料/別紙2-1「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」とそれらを評価する方法のイメージ例(たたき台)」より

■日本の小学校でも「アクテブ・ラーニング授業」を導入!
 佐賀県「変わる国語の授業/小学校 主体的に学ぶ思考力」


佐伯市立佐伯小学校で国語の自主公開研究会が行われました。
佐伯小学校では6年前から国語の授業改善に取り組んでおり、その成果を公開しています。平成29年度の大分県教育奨励賞を受賞した取組の模様をご覧ください。
 

【出典先】*大分県教育庁チャンネル「体的・対話的に学び適切に表現する子どもの育成 佐伯市立佐伯小学校 自主公開研究会」より抜粋掲載

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