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フィンランドのイクメン事情

フィンランドには、「イクメン」という特別な言葉はありません。男性も育児をすることは普通なことなのです。待機児童問題を抱え、仕事と育児の両立が難しい日本にとって、フィンランド方式は理想の形と言えるでしょう。
フィンランドの男性会社員の育児休業取得率はなんと80%以上です。
育児休業を取得する日本の男性会社員はまだ2%台と、日本の「イクメン浸透度」はまだまだです。少子高齢化が進む日本社会で、女性は経済を支えるパワーとして、ますます必要となるでしょう。しかし、日本の男性会社員は育児をしたくないわけではありません。東京都が2006年に実施した調査で、彼らの約69%は、「育児休暇を取得したい」と答えています。単純計算すると、父親の約65%が「育児休暇を取得したいのにできていない」状態なのです。その理由の多くは、「育児休暇について理解のない上司や同僚の視線」や「自身のキャリアへの影響」です。これではせっかくの育児休暇制度も意味ありませんね。
フィンランドのイクメンたちは、「父親が育児に関わる上で、仕事と家庭育児の両立は重要だ」と話しています。「特に子どもが歩けるようになってからは、あちこち動きまわるので家事が大変でした。オフィスでの仕事と比べても育児はやはり大変です。改めてこれまで育児をしてきた両親や妻に対して尊敬の念を抱きました。」と話しています。

また、フィンランドは仕事に対する考え方も違います。
「基本的に、朝9時から夕方17時までの8時間働き、残業はしない」そうです。残業をする人は全体のわずか10%。夜遅くまで残業をするのが当たり前の日本人からすると羨ましいですね。 「仕事が終わるとすぐに帰宅し、子どもと遊び、夕食を一緒に食べて、一緒に歯磨きをし、子どもを寝かしつける。」というのがフィンランドのイクメンたちの日課です。「家族との時間はお金よりも尊い」という北欧の考えが感じられます。

 

 

女性が一生涯で出産する割合、「合計特殊出生率」の日本の1.39に比べて、フィンランドは1.83と上回っています。

フィンランドの場合、子供を産んで育てる上で経済的な問題は妨げになりません。日本では2人目の子供を育てる費用をどうしたらいいのだろうかと考えてしまう人が多いようですが、フィンランドでは医療や教育の手厚い支援があります。小学校から大学まで教育費は無料で、誰でも平等に教育を受けられるよう保証されています。フィンランドは日本と同じく、資源の少ない国なので、自分たちの脳こそ最大の資源と考えます。だからこそ、子供の教育に力を入れているのです。そんな日本において、イクメン先進国フィンランドの「イクメン・メソッド」が、家族の絆を深め、国の経済成長をも後押しする、フィンランド流の子育てスタイルが必要です。

父と息子と遊ぶ

フィンランドでは、仕事が終わるとすぐに帰宅し、子どもと遊び、夕食を一緒に食べて、一緒に歯磨きをし、子どもを寝かしつけるために毎日15分間絵本を読み聞かせをする父親が多いのです。
「家族との時間はお金よりも尊い」というのがフィンランドの基本的な考え方なのです。そんなフィンランド式の父親と子供の関わり方、絵本の選び方と読み聞かせのコツ」など、イクメンの「読みメン」の第一歩を応援する内容となっている親子、夫婦で受講いただくアクテイブラーニングの講座です。

お父さんと幸せな女の子

フィンランドの保育事情

フィンランドの母親(日本でいう産前産後)休暇は産前30~50日からの105日、約4ヶ月。子供が3ヶ月になったら終了します。はじめの56日間は給与の約90%、それ以降は70%が支払われます。
父親の育児休暇は9週間取得できます。3週間までは母親が休みでも一緒に取得できる制度です。


フィンランドの特徴的な育児制度に「家庭保育給付金」があります。3才までは保育施設に預けなくても、家庭で保育すれば平均月800ユーロ(10万円強)の手当を支給されます。
フィンランドの保育園などのサービスは、親の就業の有無に関わらず全員が利用できる権利があり、保育園は月約200ユーロ(2013年調査)。特徴的なのは、「遊びがすべて」というコンセプトで、勉強の要素は一切ありません。



また、フィンランドでは子供を持った両親に、子育てアドバイスが書かれた小冊子やフィンランドでは政府から「母になる人への贈り物パック」、フィンランド語で「アイティウスパッカウス」がプレゼントされます。1937年にスタートしたフィンランド独自のサービスで総額およそ270ユーロ分で、赤ちゃんのお世話に必要なアイテムの数々が入っています。パックの代わりに現金で受け取ることも可能で、その場合は半額の140ユーロが支給されます。
また、フィンランドの保育園では、Facebookなどのソーシャルメディアを利用して、日々の活動の様子がわかるようになっています!

【参考文献】 

*アンニカ・ソーデルブロム/フィンランド社会保険庁

 この写真はフィンランドの首都、ヘルシンキにあるカフェバーの一角です。なんとバーカウンターに託児スペースがあります。
まず、日本では考えられませんね!

■フィンランドの幼児教育は「意見には理由を求める保育」
 

フィンランドの子どもたちは、遊びの中で「時間」「空間」「人間」を自分自身で主体的にコントロールしています。幼稚園での生活を見てみると、子どもたちは自由であり、遊びのリズムもスペースも友達や幼稚園の先生との関わりも自分自身で選択しています。ここでの「自由」は、なんでもありというものではなく、なにか起きれば先生が登場し、起こったことに対する「意見」と「理由」が求められます。子どもたちがどんな意見を言うのも自由ですが、それには必ず理由が求められます。就学前の段階から、自分の意思を表明することを大切にして、年齢に応じて理由づけをトレーニングしていくのがフィンランドの幼児教育の基本となっています。幼稚園の先生の役割は、1日の流れをつくるだけでなく「いま・ここ」という瞬間に「どうしてそう思ったの?」「どうしてそう感じたの?」と投げかけ、子どもたちの主体的な気づきを促していく教育的な配慮が中心となっています。時間をかければきっとできるという安心感と繰り返しが、子どもたちの落ち着きと集中力を引き出しています。

フィンランドの保育園①
フィンランドの保育園③
フィンランドの保育園②
生涯子ども持たない女性 日本は27%・フィンランドは20.7%.jpg

■生涯子ども持たない女性 日本は27%・フィンランドは20.7% 
​ 日本、先進国での高さが際立つ!少子化と向き合う気になる数字


50歳時点で子どもがいない女性の割合を指す「生涯無子率」をみると、他の先進国に比べて日本の高さが際立っています。
経済協力開発機構(OECD)によると、2020年に50歳を迎えた日本女性の27%が該当する。スウェーデンの12.2%、米国の11.9%を大きく上回り、2番目に高いフィンランドでも20.7%でした。
内閣府の少子化社会対策白書によれば、日本の年間出生数は第1次ベビーブーム期には約270万人、第2次ベビーブーム期の1973年には約210万人もいました。それが1984年には150万人を割り込み、増加と減少を繰り返しながらも減少傾向が続いて、2019年には約86万5000人と初めて90万人を割り込んだばかりです。
2017年時点の将来推計人口では2022年は85.4万人と見込まれていて、コロナ禍の影響が少なくないとはいえ数年前の想定を大きく下回り、目も当てられないほどのスピードで子どもの数が減っています。
【出典先】*経済協力開発機構(OECD)「2020年に50歳を迎えた女性の無子率」2023年発表および内閣府「少子化社会対策白書」より一部抜粋掲載

学生が「子どもはほしくない」と考えている主な理由2024.jpg

■大学生の2割が「子ども望まず」経済面の不安が影響で前年より増加

大学や大学院を2025年に卒業する見込みの学生のうち、5人に1人に相当する19.2%が「子どもはほしくない」と考えていることが、就職情報サイトを運営するマイナビ(東京)の調査で分かりました。2024年卒の前回調査の13.1%から増加している状況です。

「子供が欲しくない理由」を聞いたところ、全体で最も多かったのは「うまく育てられる自信がない」(57.4%)で、「自分の時間がなくなる」(51.5%)、「経済的に不安」(51.0%)等が続いています。男子で最も多かったのは「経済的に不安」(58.4%)で、女子では「うまく育てられる自信がない」(61.0%)が最多となりました。ほしくないと回答したのは女子が23.5%で、男子(12.1%)を大きく上回った結果です。

■「育児休業を取って子育てをしたい」という学生は59.6%で、男子も59.5%が育休取得を希望。

 

子育てについての考えを聞くと、「育児休業を取って子育てしたい」という回答が59.6%で最多で、男子でも59.5%、女子でも59.7%となり男女差は0.2%と過去最少となりました。一方「育児休業を取って子育てしたい」は全体・男子・女子ともに前年比微減となっており、「今のところあまり子供は欲しくない」や「子育てのことなど考えたこともない」が前年より増加する結果となっています。

【出典先】*マイナビ「2025年卒大学生のライフスタイル調査」より一部抜粋掲載 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240125_68511/

フィンランドの幼稚園
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