新型コロナウイルス感染症対策で広がる「テレワーク(リモートワーク)」という働き方改革!

2019年12月から長期にわたって世界的猛威をふるっている「新型コロナウイルス感染症」のパンデミック。
その対応に政府がイベント開催自粛要請で、「事業所等における活動もテレワーク、リモートワーク、オンライン会議など、人と人が接触しない形態を大いに活用してください。出張も最低限に抑制して下さい。」と厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議より発表されています。

 【出典先】*厚生労働省公式HP「新型コロナウイルス感染症対策の見解」より    
                         https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html

テレワークとは「様々な情報通信技術を活用した、勤務地や勤務時間帯に制約されない働き方」のことです。
パソコンとインターネット、Eメール、電話、FAXがあれば、いつでもどこでも働ける時代だからこそ、今、注目を浴びている新しい働き方改革の1つとなっています。 
実際に世の中では、子育てをしながら働く方、介護をしながら働く方、障がいがあり通勤が難しい方、家族やパートナーの転勤にともない活動エリアが変更になった方など、多様な状況の人材が活躍しており、その中でテレワーク(多くのケースでは「在宅勤務」)を選択している方が多くいらっしゃいます。
テレワークはもともと2020年7月開催予定の東京五輪・パラリンピックの混雑対策として、官民で導入機運が高まっていました。
総務省によりますと、日本のテレワーク制度を導入した企業の割合は2018年度で19.1%。85%の米国、38%の英国に比べるとまだ低い状況にあります。
これまでに実績のない組織が、新たにこのテレワークの制度を導入しようとした時に、様々な課題や“壁”が生じることも少なくないようです。

【出典先】*総務省公式HP「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」より https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd124210.html
 

試行錯誤の一斉テレワーク(在宅勤務)働き方改革の弱点

「毎日、同じオフィス内で互いの顔を見て仕事をしてきた。テレワークでは顔が見えないので不安」「そもそも同じ職場内で働くからこそ、仕事に対する姿勢や働きぶりを評価できていた。テレワークになるとそれらが見えなくなるので、どう仕事ぶりを評価すればいいのかわからない」など、テレワークを選ぶメンバーの周囲の関係者は、漠然とした不安や精神的な負担を覚えます。また、実際にテレワークで働く側の方々の中には、「物理的にオフィスにいない状況で、オフィスにいる時と同じように仕事を進めていけるのかわからない」「仕事ぶりを、何を根拠に評価してもらえるのかがわからず、不安になる」といったことが課題に感じる方もいらっしゃるようです。 
これらの不安や悩みが解消されず、積み重なる内に、「やはり自社ではテレワークは無理だ」「時期尚早だ」と、制度導入や運用・活用を諦めてしまう企業や組織も少なくないことでしょう。
テレワークなど、新しい施策を導入するうえで大切なことの1つは、「今の状況がいつまでも変わらないことはない」という事実を正しく認識することです。

今は必要としていなくとも、将来的にメンバーが育児や介護に携わるようになったり、今回のようなパンデミックで今と同じ働き方ができなくなったりする可能性は十分にありえます。今とは異なる多様な働き方を実現する心がまえを準備し、意識を変えていただく社内の対応として、「ダイバーシティ働き方改革研修」等を実施いただき、そのうえで、「管理職向けテレワーク導入研修(心構え・マインド醸成編)」を実施いただくことをお勧めします。その際は、対象は管理職に限定する必要はありません。管理職・非管理職の皆さまで受講いただき、同じ認識、考え方を持っていただくことが大切です。 

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■ 必ずしも会うことを重要視しない!

日本とフィンランドの違いを感じるのは、日本人は関係作りを重視して、まずは1回目は顔合わせやその後、何度も顔を合わせての会議を行うことが多いで思いますが、フィンランド人からすると挨拶だけの面談はいらないし、報告も基本メールか電話にしてほしいと考えるのが一般的です。
もちろん会ったからこそ発展することもあるし、顔を合わせる重要性はフィンランド人も理解していますが、会うと30分〜1時間は時間がとられてしまうので、効率を考えると、重要でないような案件については会う意味があるのだろうかと感じてしまうそうです。

■ できるだけメールの「CC」は入れない!

フィンランドの企業では部下を信じ、任せることで、自分はできるだけCCに入れないでほしいという上司が多いのも日本との大きな違いでしょう。
何か悩みや迷うことがあったら、直接相談にきてくれていいけれど、全てに伺いをたてる必要はなく、極力自分で考えて決めてほしいと言う管理職が多いようです。
つまり、極力CCに入れずに口頭で相談や、進捗を報告する習慣が身に付いているようです。
非管理職や非正規社員(インターン)であっても、組織のトップに声をかけて、話をしてもいい。むしろトップのほうから何かあったらいつでも声をかけてほしいという人が多いのが特徴で、職場内のコミュニケーションは日本と比べてかなり多いのが印象的でした。

■ 会社組織に年功序列がない!

フィンランドの会社には年功序列がありません。20代で管理職として50代の部下がいる方は当然にたくさんいらっしゃいます。
フィンランドの企業では、「ワーク・ライフ・バランス」「職場はフラットでオープンな関係性」が特徴です。
組織には日本と同様に各部署ごとに管理職(マネージャー)、人事経理、技術、営業など様々な肩書や役割分担があります。
しかし、そういった担当する仕事の違いが自動的にその人の価値の評価につながるわけではないことを理解しています。
つまり、その人の役割より、何をしたのかという「事実と結果」を大切にしています。そして、どのぐらいスキルや知識を発揮したのか、倫理的にやったのか、周りとの協力はどうだったか。しかも、上司だけでなく、周りにいる人の目にはどう映っているのか。それがその人の価値を作っていきます。
同時に、経営陣は従業員の話に耳を傾けているし、従業員は自分たちの環境や仕事に影響を与えることができます。部下から見て改善点があれば、上司にフィードバックしたり、批判したりすることも難しくはありません。日本と同様に、社員と経営者社長の間には何段ものステップがありますが、それほど階級的なものは感じられないのがフィンランドです。何か嫌なことや、改善点があれば、上司や社長に直接言える職場環境がフィンランドにはあります。

【参考資料】「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」著/堀内 都喜子 氏 2020年1月ポプラ新書発刊

EUにおけるテレワーク実施率

北欧諸国では、気候や人口密度の低さなどの特徴から、テレワーク的な働き方が早くから導入されてきました。在宅勤務は官民ともに普通の働き方として定着しており、近年では「どこでもオフィス」的な働き方が急速に広まっています。80年代から90年代初頭にかけてのテレワーク導入期には政府主導によるテレワーク推進施策が実施されてきましたが、近年では既に政策的対応はほとんどなくなっています。

フィンランドでは、テレワークをワークプレイス改革の一環として推進しており、テレワークの実施比率はEU内で5番目に高くなっています。
フィンランドにおけるテレワーク導入のインセンティブは通勤距離が年々長くなる傾向にあるため、その通勤距離の削減であるといわれています。働き方が労働集約型からナレッジベースのサービス業へ産業転換が進んできたこと、IT技術の普及により技術的環境が整ってきたこともテレワークの普及を後押ししています。また政府では、「ワーキングライフ開発戦略2020」を策定し、その中でもICT技術を活用した「新しい働き方」の普及に関する分散型マネジメントをコンセプトとし、ヨーロッパ1のワーキングライフを達成するというコンセプトを掲げています。 
欧州各国の労働力調査におけるテレワーク推計をまとめたものを以下に示します。
EU加盟28か国の平均は、時々(Sometime)テレワークする人が8.8%、常に(Usually)テレワークをする人が4.7%、合計13.5%となっています。
アイスランド、スウェーデン、ルクセンブルグが上位3か国となっています。
【出典先】*TW海外動向調査報告書(HP掲載用)および総務省「テレワークの海外普及動向」より一部抜粋して掲載
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/furusato-telework/diffusion-overseas/index.html

■ 日本の在宅勤務(リモート)導入中の企業様の事例

大阪市の医療系人材サービスのベンチャー企業様で社員の平均年齢32歳。
現在、社員90名が Google Meet で在宅勤務対応中。

在宅勤務(リモート)にすると上司への相談がしづらくなるのでは、という心配もありましたが、毎日朝夕2回、「朝いちミーティング」という形で、TO・DO報告や、困り事のシェア、それに対する上司や先輩からのアドバイス、という取り組みが現場発案で定着しました。お互いリモートでもちゃんと頑張ろうという雰囲気が早々に形成されました。普段は朝礼を毎日朝9時30分にやっていて、司会を持ち回りにしてみんなで体操したり、3分間スピーチをしてメンバー同士の理解を深めていたのですが、リモートになってからは社内チャットのslack上で「3分スピーチで話したかった話」や「大事だと思う業務報告」を代替実施することにしました。
また、「ずっと家で一人でいると雑談がなくてさみしい!」「疎外感が高まる!」という声があがり、有志が集まって Google hangout で飲み会をやってみたら、子供やペットと一緒に参加できて楽しかったという反響もありました。家族と過ごす時間が増えたのも副次的に良い効果だったと思います。3歳の子供がいる社員で、通勤時間を省けた分、一緒に過ごす時間が増えて良かったとの意見もありました。

それでもやはり、この状態が長く続くと辛い部分も出てきています。1カ月前に、全社でリモートを導入したとき、正直、ここまでの状態を全く予想していませんでした。
2週間ぐらい我慢すればまた元に戻るだろうから、それまでの辛抱だと。でも実際は2週間どころではなく、1年単位で戦わなければいけないことがわかってきて、その場しのぎの対応はもうできなくなったと感じています。
改めて今、考えないといけないのは、「これまでやってきたことの、本当の目的は何か。この環境下でそれを達成するためには、他のやり方が必要なのではないか」と感じています。
また、今後、「在宅勤務の人事評価制度」としてシステムを変更していく必要があると感じています。(人事部長談)

■ フィンランド式 テレワーク成功の10個のポイント■
 1.仕事のスペースを自宅では明確に分ける。
 2.仕事中は家族や友人のプライベートな連絡には答えない。
 3.プロフェッショナルな態度として、電話会議中などは犬などを遠ざけておく。
 4.仕事のペースメーカーになるようなテレワークの同僚を持つ。
 5.気分転換として自宅オフィス以外にカフェなどを利用する。
 6.メールやSNSのチェックは一定の決まった時間に同時に行うようにする。
 7.適度にショートブレークを取り、正午などには仕事から離れる。
 8.仕事に没頭しすぎず、社会との接点を大切にして興味を維持する。
 9.食べすぎなどを避けるため、仕事中は水以外の食べ物などをデスクに置かない。
  10.健康を最優先する。言い訳をして睡眠時間や運動時間を減らさない。

■ Withコロナを考える「これから管理職に求められるマネジメントとは?」

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を導入する企業が増える中、生産性の向上が課題だとよく企業経営者の方からお聞きします。弊社でSNSを活用した「テレワーク実態アンケート調査」で312名の皆様から回答では、約7割を超える方よりコロナ収束後もテレワークを続けたいというご意見を得ました。一方、*公益財団法人日本生産性本部が雇用者100名を対象にした5月の調査によりますと、29%が在宅勤務を実施し、そのうち66%が仕事の効率が下がったと回答しています。在宅勤務は柔軟な働き方ができるなどメリットは多い半面、対話を生む創造力の維持や成果の図り方などの課題も浮き彫りにしたと感じています。競争力の強化に向けた企業の知恵比べが始めっているような「緊張感」さえ感じています。


テレワーク導入には、社員にセキュリテーを万全なデバイスの提供等、インフラを整えるだけでは不十分で、職場環境が一変するため、生産性を高める「働き方」そのものの変革が求められます。まずは、これまで会社に行かなければできないとされていた仕事を減らす必要があります。

先日、某企業のオンラインWeb研修(ウェビナー)で受講者の方から「テレワークで時間管理が厳しくなり、仕事の効率が落ちました。例えば、PCやスマホの操作履歴を上司に管理把握され、午後5時の終業後にメール1本も送れなくなりました。自分の都合に合わせて働けると思いましたが前より仕事に時間がかかっています。」という状況報告を受けました。これはもしかすると、どの企業でも起こり得る事態かもしれませんね。


在宅勤務の期間が長くなり、在宅における勤務内容が把握しきれないケースが発生してきているのが要因のひとつと考えます。日本の労働規制は、職務を明確に規定し時間より成果で評価する評価制度、いわゆる「ジョブ型(職務給)」ではなく、労働時間に応じて残業代が増える仕組み「メンバーシップ型(職能給)」がベースとなっているため、在宅勤務の働き方改革(働きやすさ)の推進の一方で、「成果主義」がマッチしなくなってきているようです。日本の賃金制度の基礎は1947年施行の労働基準法で、時間と生産量が比例する製造業がモデルとなっており、長時間労働を美徳とする企業文化を支えて来ましたが、今では時間と成果が比例しない仕事も増えて来ました。


■ 在宅勤務にシフトしても会社の一体感を保つためには何が必要でしょうか?
「会社とは何か?自分は何のために働くのか?」という本質的な「内発的動機付け」が重要になってくると思います。管理・監視することで従業員を働かせる、つまり「命令」から「共感」が重要になってくると思っています。社員一人ひとりがモチベーションを高めて頑張ることが必要なのだと思います。こんな時期に「業績が苦しいから1円でも増やせ」と命じる経営者、管理職のもとで「やる気」が出るかと言えば難しいと思います。会社は価値を提供するからこそ存在できるわけで、その価値をもう一度、社内で共有し、社会をよくするために何ができるか議論し、行動すれば内発的動機が高まるのではないでしょうか?
 

そのためには担当部署での部下メンバーとの定期的な「1 on 1ミーティング(キャリア面談)」を実施することをお勧めいたします。
弊社のクライアント企業様の管理職の方で、週に2回、オンラインで部下との「1 on 1(1対1)ミーティング」を開いて現状認識や課題意識をすり合わせて対応策を一緒に考えているという方がいらっしゃいました。その結果、こんな時期でも前年同期比の売上は伸びたとのことです。コミュニケーションの回数は管理職自らが意識して部下と持つようにする意味は十分あると思いますがいかがでしょうか?


【参考出典先】*公益財団法人日本生産性本部「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査結果レポート」2020年5月22日より一部抜粋参考にして掲載

■ コロナで変わる企業研修の在り方と雇用環境
   「人材確保とスキル重視に」

2020年、新型コロナウイルス感染症拡大による甚大な影響が全世界に広がっています。特に、深刻な問題として経済社会活動の制限を起因とする「失業問題」です。少子化を背景に労働力の供給が追い付いていない日本で、定期採用計画を見直す企業が今、相次いで出てきています。また、失業率には反映されない休業者や求職を諦めた人も増加しているため、20年前のバブル崩壊後の「就職氷河期」に近い状態になって来ています。この就職氷河期世代は、非正規雇用のまま不安定な雇用形態を余儀なくされている人が多く、新卒一括採用という日本企業固有の終身雇用の習慣が原因の一つと言われています。

しかし、前の就職氷河期とは違って、今回のコロナ禍でも就職難に直面する求職者を採用し、活躍できる下地ができた企業が増え始めています。
コロナの前から年功序列から成果主義に移し、通年採用や中途採用を積極的に取り入れ、リモートワークを余儀なくされてもどんどん順応し対応できる企業が増えてきています。画一的なメンバーシップ型雇用(職能給)からジョブ型雇用(職務給)を導入する動きも見え始め、個人の多様な状況に応じて柔軟に対応して生産性を高めていく試みが増えてきました。

今後、職場ではデジタル化が進み、デジタルリテラシーの高い「人財」の確保が、世界的規模で熾烈な競争となるでしょう。卒業年次や年齢、性別に関わらず、スキルで自己の付加価値を生み出せる「人財」を採用し、育成していく企業こそが、これからの日本のリーディングカンパニーとなります。コロナを経験して、このような社会情勢でも冷静に緩急を図りながら、スピード感を持って臨機応変できる企業体質と、そうでない企業体質とますます二極化されてくるでしょう。

© 2016 NPO,Finland method Human Resource Development Institute 

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